パソコンオシロスコープ PicoScopeを使ってみた...メモ

PicoScope Ver6.7.40.3版
数年前PicoScope Ver6.4.28.0、OSはWindows7 Starterでこのメモ書きを作成。
久しぶりに最新版(Ver6.7.40.3)をダウンロードして変わった所などを修正してみた。
なお、旧Verとほとんど変わらない画像キャプは旧Verのまま。

PicoScopeはパソコンに波形を表示するデジタルオシロスコープで
イギリスのPico Technology社の製品。
USBケーブルでパソコンと接続する。

このPicoScopeの主な仕様は
・チャンネル:2ch
・サンプルレート:100Ms/s
・分解能:8ビット
非MSOモデル。

セットの内容は
・PicoScope本体
・プローブ
・ACアダプタ
・USBケーブル
・CD-ROM
PicoScope本体。このPicoScopeの重量は約370g。
 

付属していたUSBケーブル。パソコンのUSB IFは2.0/1.1どちらも可。
最近では機種によりUSB3.0接続も可能らしい。
 

プローブ接続側。LEDは電源、動作表示用。
 

USBケーブル接続側。USBのほかACアダプタからも電源を供給することができる。
マニュアルによると、このACアダプタは電源供給以上にPicoScope、パソコン、大地間での
グラウンドループを形成させないことを目的にしてる模様。機種によりアダプタ入力はないものもある。
 

インストールするPicoScopeのバージョンはVer6.7.40.3。OSはWindows7(64bit)。
日本語が選択できるので日本語選択でインストール。
 

PicoScope6起動。
 

立上がったところ。PicoScope本体がUSBケーブルで接続されていれば、自動で認識され表示が開始される。
しばらくさわって見たのだが日本語表示の段ずれが気になり英語表示に戻してしまった。
言語変更は、ツール→設定→地域言語。再インストールの必要はない。
 

基本的な使い方。
垂直軸(電圧)スケールのプルダウンメニュー。このレンジは表示されている初期設定のほか、任意で追加設定もできる(例えば-1V〜5Vなど)。
 

垂直軸の上下移動はオフセットにより変更。最新版では若干の項目入れ替わりがある。
 

水平軸(時間軸)の変更。
 

サンプリングレート。
 

1MHzの矩形波(方形波)を表示したところ。
 

周波数、その他の計測機能もある。Measurements→Add Measurement
 

普通に波形を見るScope Modeの他、Persistence Mode、Spectrum Modeがある。上はScope Mode。
下はPersistence Mode。ジッタ、アイパターンの観測に使えそう。
 

Spectrum Mode。周波数成分の解析。
 

トリガをETSにし等価サンプリング。ソースであまりいいものがなかったが、取りあえずあった50MHzの波形。
50MHzはこのPicoScopeの帯域仕様に近い。他にオシロスコープが無いため、真の波形にどの程度近いかは現状分からない。
 

Note欄にコメントをメモ。このまま保存し、後でこの状態を開くことができる。波形は保存時のものが再表示される。
測定時の情報はPropertiesで確認する必要がある。Noteは、Edit→Notes。
最新版でのPropertiesはMenuまたは波形画面右クリックから出す必要がある。
 


波形データをcsv形式でパソコンに保存することもできる。Excelなどで解析、処理が行える。
psdata形式で保存したデータからはcsv形式での再保存も可能。
 

機種により、正弦波、矩形波などの信号を発生させることができる。
 

ソフトウェアはオシロスコープソフトPicoScope6以外に、データロガーソフトPicologも使える。

PCはデスクトップ、ノートどちらも使用できるが、ノートパソコンでノートのACアダプタを使用しないほうがノイズが少なかった。

コンパクトで軽いため持ち運びに便利。仕事で車を使用しない移動でも容易にオシロスコープを持ち出すことができる。
ベンチタイプに比べればやや頼りない感じもするが、一流メーカーのベンチタイプのオシロスコープと比較しなければ十分使えると思われる。
難点としては、パソコンがないとオシロスコープにならないことや、立上げ時間はベンチに比べるとPC起動分時間が長くかかる(印象がある)。
また、ずれた0Vを正確に合わせるようとすると少々手間が掛かる。

PicoScope6はデモモードで動かすことができる。
旧Verでのデモモードは2000〜5000Seriesの一つを選択できたが、現Verではできなくなっている。
デモモードでは、PicoScope本体は必要なく実際に信号をパソコンの外部から入力する必要もない。
正弦波、矩形波などを疑似入力でき、周波数、信号レベルを変更できる。
オシロの操作も、電圧軸、時間軸、サンプリングの変更はもちろん、Scope Mode、Persistence Mode、Spectrum Modeの使用も可能。
購入前、ソフトの操作感など雰囲気を知りたい時には使える。オシロスコープソフトPicoScope6は、Pico Technology社のサイトから無料でダウンロードできる。

製品はPico Technology社からでも購入できるようだが、日本の販売店としては秋月通商、RSコンポーネンツなどがある。
しばらくして、Amazonも在庫を置くようになった。
が・・・修理、校正はきっとメーカーに直接、自分でやらなければならない。これはマイナスポイント。
でも、趣味用なら校正は必要ないと思うので安めなのを選んで使うのも楽しいかも。

PicoScope小技メモ
・時間軸、電圧軸、倍率の連続変更
  時間軸を変更するのにいちいちプルダウンメニューを引き出して選択するのは面倒。
  時間軸を選択、他はカーソルアクティブ状態にしてスクロールすると連続して変更できる。
  旧Verでは時間軸の変更ができなかった。
・電圧、時間値の簡易表示
  波形表示画面を左クリックで簡易表示。




"もう少し使ってみた"版を使い方メモにまとめました。

パソコンオシロスコープ PicoScopeを"もう少し"使ってみた...メモ

使い方メモと同じく最新版 (PicoScope Ver6.7.40.3)で変わった点を反映。
画面キャプは旧Verのまま。

もう少し使ってみた一覧 Picoscope
1.マルチビュー
2.シリアルデコーディング
3.マスクテスト

1.マルチビュー
PicoScope6はウィンドウの中に複数の画面を表示できる。
1画面ずつ追加する場合はViews→Add View→Scope/Spectrum/XYから選択。
1,2,3,4,6,9画面のどれかを希望する時は、Views→Grid Layout→nViewports。
それ以外をカスタムしたい時は、Views→Grid Layout→Custom layout。
追加された灰色画面に信号を表示するには、灰色画面をクリックしてからViews→Add View→Scope/Spectrum/XYから選択。
下は2画面。左画面は右画面を1000倍に拡大したもの。
 


2.シリアルデコーディング
シリアル信号I2Cをデータ値で表示してくれる。
I2C以外はCAN,RS232/UART,SPI,I2S(β),LIN(β),FlexRay(β)も設定できる。
方法は、Tools→Serial Decoding。
Channel AがSCL、Channel BがSDAの場合、下のように設定する。閾値は適切な値を入力。
 

I2C書込み時。波形の下にデータ値が表示されている。
 

I2C読出し時。表示されたデータ値はウィンドウサイズが小さいと一部が隠れてしまう。
下のAddress=0がそれで拡大すればきちんとデータを見ることができる。
なお、ここではデータが表示されているがデータは読めない時もあり、それが頻発することもあった(Ver6.4.28.0)。
使い方が悪いかどうかは現在分かっていない。
 


3.マスクテスト
信号が規程値から外れないかを確認するテスト。
先ず、基準となる信号を表示させておく。マスクを追加するには、Tools→Masks→Add Masks。
Generateをクリックし、表示されている信号に対して許容するX(時間)軸、Y(電圧)軸の値を入力してGenerate。
今作ったLibraryを選択してApplyをクリックするとマスクが表示される。
 

計測を開始すると画面下方のFailuresにマスクに引っかかった回数、Capture Countに計測回数が表示される。
 


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